2006年8月5日(土)「しんぶん赤旗」
イスラエルのレバノン空爆
無差別攻撃に批判噴出
国連人種差別撤廃委員会 米国代表は孤立
スイス・ジュネーブの国連人種差別撤廃委員会(十九カ国代表で構成)が三日開いた会合では、イスラエルがレバノンへの無差別攻撃を続け、女性や子どもら何の罪もない市民を巻き込んでいることへの批判が噴出しました。
「無差別に爆撃し、市民を標的にする攻撃に言いわけはできない」(アルジェリア代表)、「(レバノン爆撃の)事態は通常の許容できる範囲を大幅に超えている」(ブラジル代表)などの声が相次ぎました。
ロシア代表は「レバノン国民は無差別爆撃に苦しんでいる。交渉を始める前に市民を攻撃目標とすることをやめなければならない」と強調。中国代表は「イスラエルが市民を攻撃目標にしていることは国際人権法違反だ」と批判しました。
パキスタン代表は「イスラエルはアラブ人に対してでなければ市民の社会基盤を爆撃するようなことをしただろうか」と疑問を呈し、南アフリカ共和国代表は「人種差別だ。犠牲者を劣等視しなければ殺す権利など主張できない」と怒りをあらわにしました。英国代表は「人種的、宗教的、文化的憎悪をエスカレートさせている」と懸念を表明しました。
インド代表は「国際社会は流血停止のために介入することが必要だ」と主張しました。
これに対し米国代表だけは、イスラエルの爆撃責任に触れずに、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラやシリア、イランの責任も問うべきだと語りました。
一方、ニューヨークに本部を置く国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは四日、イスラエルが「系統的、意図的に市民を攻撃しており、国際法の重大な違反」だとし、「戦争犯罪とみなすべきだ」と批判する報告書を発表しました。