2006年8月4日(金)「しんぶん赤旗」
「日の丸・君が代」 拒否で処分
「研修」目的は「斉唱強要」
都教育庁人事部長(当時)が証言
「日の丸・君が代」問題で東京都教育委員会から処分され「再発防止研修」の受講を命じられた教職員百三十七人が、命令の取り消しを求めて起こした裁判の第十一回口頭弁論が三日、東京地裁(中西茂裁判長)で開かれ、当時の都教育庁人事部長、臼井勇氏が証言しました。
証言の中で臼井氏は、処分された教職員に求めた反省は「校長の職務命令にしたがって行動すること」であり、「研修」の目的が「君が代」を起立斉唱させることにあることを事実上認めました。また、二〇〇四年六月の都議会で自民党議員の質問に、当時の横山洋吉教育長が「研修の成果が不十分なら再度研修を命ずる」などと答弁したことについて、人事部も答弁内容の作成にかかわったと証言。都教委が自民党都議の要求に答える形で思想・良心の自由を侵害する「研修」を実施した経過が明らかになりました。
処分された人たちが人事委員会に不服審査請求をしていたにもかかわらず研修を強行したことについて「もし処分が取り消された場合はどうするつもりだったのか」と問われた臼井氏は「考えていなかった」と述べました。