2006年8月4日(金)「しんぶん赤旗」
歯科医文書を簡素化
現場の要求実る 略称使用可能に
小池議員も質問
四月からの診療報酬改定で、歯科医師にカルテやレセプト(診療報酬明細書)などの文書作成の際に、膨大な記載事項を義務づけたことが問題になっていますが、厚生労働省は二日までに、「略称」使用など記載の簡素化を認める通知を出しました。
七月三十一日付の「疑義解釈資料」として都道府県などに送付。歯科医師らの要求が一定実現した内容です。
通知では、これまで「地域歯科診療支援病院歯科初診料」と書かなければならなかったものを「病初診」と略してよいなど五十項目以上で略称使用を認めました。
また、患者がこなくなった理由までレセプトに記載することを義務づけていましたが、通知では、わからない場合は「未」と書けばよいことにしました。
この問題では、“膨大な文書作成に時間と手間がかかり、歯科診療の時間が十分にとれない”などの声が上がり、全国保険医団体連合会(全国保団連)などが厚労省と改善を求める交渉を続けてきました。日本共産党の小池晃参院議員が国会質問などで「膨大な事務量の増加が患者さんとのコミュニケーションを阻害したり歯科医療の質を低下させる」(六月八日の参院厚生労働委員会)と追及してきました。
全国保団連社保・審査対策部の田辺隆歯科部長は「四月の診療報酬改定で義務づけられた無意味ともいえるレセプト記載事項がある程度改善されたことは評価できます。さらに改善を求めていきたい」と話しています。