2006年8月4日(金)「しんぶん赤旗」
全土空爆を再開
レバノンの死者900人超す
イスラエル
【カイロ=松本眞志】イスラエル軍は、四十八時間の空爆停止期間後の二日から三日にかけて、レバノン全土に対する空爆を再開しました。南部では侵攻したイスラエル軍とイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラとの間で激しい戦闘が続いています。
レバノンのシニオラ首相は三日、イスラエル軍の攻撃でこれまでに九百人以上が死亡、三千人が負傷し、人口の四分の一の約百万人が避難生活を余儀なくされていると述べました。死傷者の三分の一は十二歳未満の子どもだといいます。
イスラエルの空爆ではヒズボラの拠点とされるレバノンの首都ベイルート南郊、北部のシリアとの国境地域、東部のベカー高原、南部のスール、サイダなどが攻撃を受けました。スールでは八十歳代の夫婦を含む七人が死亡、サイダではレバノン軍兵士一人が死亡し二人の負傷が伝えられています。
イスラエル軍のハルツ参謀総長は二日、ベイルート空爆をさらに強化する意思を示しました。
イスラエル紙エルサレム・ポスト二日付は、現在一万人のイスラエル軍兵士がレバノン南部に展開していると報じています。同日の戦闘では、イスラエル軍兵士一人が死亡し、九人が負傷しました。
国連レバノン暫定軍(UNIFIL)は声明で、「激しい戦闘が過去二十四時間、UNIFILの活動地域の至るところで行われている」と述べています。