2006年8月2日(水)「しんぶん赤旗」
地上戦 拡大を決定
イスラエル 新たに予備役招集
レバノン空爆 停止要求を無視
【カイロ=松本眞志】イスラエルの治安閣議は一日、世界で高まる停戦要求を無視し、レバノン南部でのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラとの地上戦を継続・拡大することを決定しました。治安閣議は首相や国防相ら七人の閣僚で構成するレバノンでの軍事作戦の最高意思決定機関です。
この決定を受けて新たに三個師団(約一万五千人)の予備役が追加招集されます。
イスラエル軍は一日、レバノン南部のバヤダとマスール、東部のバールベック、ベカー高原北部のアルハルマルを空爆、二日間の空爆停止の合意を破りました。
イスラエル放送は、同軍が国境から三十キロのリタニ川まで達する見込みだと報じました。
レバノンからの報道によると、同国南部のタイベなどで一日、ヒズボラとイスラエル軍が激しい戦闘を繰り広げたといいます。
オルメルト首相は三十一日、テルアビブ市長との会談の際、「ヒズボラに拉致された二人の兵士が解放され、ヒズボラによる脅威がなくなるまでたたかいは続く」と述べました。また、同首相はレバノン南部カナへの空爆について「強く遺憾には思うが、謝罪はしない」と語りました。