2006年7月31日(月)「しんぶん赤旗」

イスラエル軍 避難所を空爆

子どもら57人以上死亡

96年にも砲撃で犠牲

レバノン南部カナ村


 【カイロ=松本眞志】カタールの衛星テレビ・アルジャジーラは三十日、イスラエル軍が同日早朝、レバノン南部カナ村の住民が避難している建物を空爆し、五十七人以上が死亡したと報じました。このうち二十七人の子どもの遺体が発見されました。空爆は五十回以上に及びました。負傷したモハメドさんは「イスラエル軍は眠っていた私たちを空爆した」と語りました。

 同軍がレバノンに侵攻した十二日以降、一カ所への攻撃でこれほど多くの死者が出たのは初めて。カナは一九九六年四月に、村民が避難した国連施設をイスラエル軍が砲撃し、百人以上が殺害された場所です。

 現地で活動しているレバノン人の救急隊員は、「これは虐殺だ。この地域や建物にヒズボラ(イスラム教シーア派民兵組織)はいない。子どもを殺りくするのが米国の求める民主主義なのか」と述べました。

 イスラエル軍のヤコブ・ダラル報道官は同日、「数日前にリーフレットを空から配布し、カナから出て行くように警告した」と釈明。外務省高官は「ヒズボラが民間人を人間の盾に使っている」とし、空爆による殺りくを合理化しました。

 これに対しレバノンのムル国防相は、「だから四十人以上の女性と子どもを殺害したとでも言うのか」とイスラエルを批判しました。

 空爆直後レバノン政府は、当初予定されていたライス米国務長官のレバノン訪問の延期を要求。シニオラ首相は「イスラエルによる虐殺に対する国際的調査と即時・無条件停戦以外に話し合う余地はない」と主張しました。

 イスラエル軍は、シリアからヒズボラに武器が渡るのを阻止するとの口実で、レバノン・シリア国境のマスナアも空爆しました。


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