2006年7月31日(月)「しんぶん赤旗」
「偽装請負を告発する」
光洋シーリング
企業も社会も壊す
直接雇用求め シンポと集会
トヨタ系列の部品メーカー・光洋シーリングテクノ(徳島県藍住町)で偽装請負で働かされているとして青年労働者らが直接雇用を求めてたたかっている問題で三十日、偽装請負を告発するシンポジウムと集会が同県板野町の県総合教育センターで開かれ、全国各地から三百人が参加しました。労働者を励まし解決の転機にしようと全労連、徳島労連、労働者が加盟するJMIU(全日本金属情報機器労働組合)の三団体が開きました。
龍谷大学の脇田滋教授、鷲見(すみ)賢一郎弁護士、生熊茂実JMIU委員長がパネリストとなり発言・報告しました。
派遣問題を研究している脇田氏は、「世界では同一労働同一賃金が常識なのに、日本は労働者の保護が世界で一番貧弱です。派遣労働者はあくまで一時的な働き方であり、長期的に続けると社会そのものをぼろぼろにする」とのべました。
労働裁判に長年かかわっている鷲見氏は、偽装請負がおこなわれていることを認めながら直接雇用を指導しない厚生労働省の姿勢を批判。「厚生労働省の対応のにぶさの根底には、小泉政治がおこなってきた規制緩和がある」と指摘しました。
生熊氏は「直接雇用は企業にとっても将来的にプラスとなることだ。労働組合の仲間が団結し、職場でしっかりたたかっていけば必ず勝利できる」と強調しました。
全国からの参加者が次々と激励あいさつ。日本共産党の春名なおあき参院比例代表候補は「小泉・自民党政治の規制緩和・弱肉強食路線が根本にある。『社会的連帯で社会的反撃を』を合言葉に、労働者と国民が団結してたたかいましょう」とのべました。
シーリングテクノに直接雇用を求めている労働者を代表して矢部浩史さん(JMIU徳島地域支部書記次長)が「日本全体に同じような労働者の状態がまん延している。全国の仲間と連帯し、直接雇用を求めて頑張る」と決意を語りました。
県内で建設業に携わる天野正春さん(29)は「団結することの大切さを改めて認識しました。もっと深く学んでいきたい。自分の職場でも、少人数でもたたかえば変わるんだということに確信を持ち、運動していきたい」と話していました。