2006年7月29日(土)「しんぶん赤旗」
心の病
6割の企業「増加」
民間研究所調査 成果主義と関係
「心の病」が六割以上の企業で増加している―こんな職場実態が二十八日、社会経済生産性本部・メンタルヘルス研究所の調査結果で明らかになりました。調査対象は上場企業二千百五十社(回収率10・1%)です。
それによると、最近三年間で心の病が「増加傾向」と回答した企業は61・5%におよびました。過去二回の結果でも一貫して増加傾向にあります。「減少傾向」はわずか1・8%でした。
年齢別では、三十代が61・0%と集中し、次いで四十代(19・3%)となっています。心の病のため一カ月以上休業している従業員のいる企業は74・8%に達し、過去調査より増加しています。
職場環境の変化について、「個人で仕事をする機会が増えた」と回答したのは、「そう思う」「ややそう思う」をあわせて七割近く(67・0%)をしめました。「コミュニケーションの機会が減った」は、「ややそう思う」を含めて六割(60・1%)。「助け合いが少なくなった」は、「ややそう思う」を加え五割(49・0%)ありました。
「各従業員の責任と裁量のバランスがとれているか」では、「そう思わない」「あまりそう思わない」をあわせた否定的回答が四割(39・9%)におよんでいます。
調査結果は、「成果主義や目標管理制度を導入する企業が増え、個人で仕事をする機会が増えていること」が関係あると推察。心の病の増加は、「一人あたりの仕事量が増え、職場でのゆとりがなくなっていることを反映している」と指摘し、これを抑えていくためには、「職場における横のつながりの回復と、責任と裁量のバランスが取れるような仕事の仕方の改革、それらを含めた意味での一人ひとりの働きがいに焦点をあてた活力ある風土づくりが喫緊(きっきん)の課題」と結んでいます。
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