2006年7月28日(金)「しんぶん赤旗」
米産牛肉
除去違反 半年で27件
事前査察報告 日本向け処理施設
輸入再開 とんでもない
日本向け米国産牛肉輸出食肉処理施設で、BSE(牛海綿状脳症)の危険部位除去違反が二〇〇六年も繰り返され、この半年で二十七件にのぼり、うち二件は勧告がだされたまま未改善状態であることが、厚生労働、農水省が二十七日に食品安全委員会に提出した事前査察報告書でわかりました。同報告書によると、昨年一年間の同違反は五十一件で、違反はほぼ同じペースで多発しています。
米農務省食品安全検査局が摘発したBSE違反(ノンコンプライアンス・レコード)は、査察した三十五の食肉処理施設のうち、十五施設にのぼります。一つの処理施設で五件、四件と繰り返されていました。
米農務省の検査官、獣医官がそれぞれ一人しかしない処理施設や、解体作業ラインに検査官が立ち会っていない「オンライン0」のケースもありました。
歩行困難牛が二〇〇五年に五十七頭、二〇〇六年に四十五頭も見つかっていながら、BSE検査した牛はゼロという大規模食肉処理場もあります。
肉質で生後二十カ月以下を判定するチェック体制では、昨年十二月からことし一月にのべ二万六百九十頭(と畜頭数の12%)を三人の格付官で実施した食肉処理施設や、一人の格付官がのべ五千五百六十頭(昨年十二月十五日からことし一月二十日まで)の判定を行っていた食肉処理施設も。
同報告書では、BSE違反の具体的内容がいっさい明らかにされず、各施設名なども米政府からの要請で非公開となっています。