2006年7月26日(水)「しんぶん赤旗」
高齢者狙い高額電話機リース
販売業者に業務停止命令
大手リース会社にも責任
解説
電話機リースをめぐる被害は、ここ数年で急増しています。全国の消費者センターなどに寄せられた相談は、二〇〇〇年度の二千六百十八件から、昨年度は八千六百四十七件に増えました。
本紙にも数多くの被害実態が寄せられ、「こちら社会部。」などで取り上げ追及してきました。今回、業務停止命令を受けたメディアサポートは、最も被害の訴えの多かった業者です。
被害者救済のためには、悪徳販売業者の摘発だけでは不十分です。こうした業者と提携した大手リース会社の責任を厳しく追及する必要があります。リース会社が「販売とリースは別」だとして、消費者の解約要求に応じず、高額のリース料を払わせ続けるケースが後をたちません。
昨年十二月、経済産業省は重い腰をあげて対策に乗り出しました。一定期間なら解約ができるクーリングオフ制度を、電話機リースでも条件付きながら適用できるとの通達を出したのです。その際に同省は、リース提携販売では、「総合してみれば一つの訪問販売を形成していると認められる」場合、リース会社にも責任があるとの見解を示しました。
しかし、現在にいたっても「リース会社が解約に応じてくれない」という高齢者の悲痛な訴えが本紙に相次いでいるのです。悪徳業者と手を組んでも恥じない、企業倫理に著しく欠けた大手リース会社にも厳しい行政指導が求められています。(森近茂樹)