2006年7月26日(水)「しんぶん赤旗」
離島の測候所存続に道
名瀬・沖永良部 党鹿児島県委に気象庁
二〇一〇年までに廃止が検討されている奄美大島の名瀬測候所について気象庁は二十四日、「無人化は困難」と、例外的に存続させる方向で検討していることを明らかにしました。上京して政府交渉をしている日本共産党鹿児島県委員会の要請に答えたものです。
全国に四十六カ所ある測候所は、小泉内閣が進める「国家公務員を五年間で5%以上純減」方針にもとづいて二〇一〇年までに原則廃止が計画されています。しかし、測候所は地域の自然環境を監視・観測する最前線で、住民の生命と財産を自然災害から守る重要な役割を担っています。とりわけ、奄美群島のように外海離島で台風常襲地帯では、気象情報は住民にとって“命綱”です。
日本共産党のまつざき真琴鹿児島県議は「名瀬測候所が廃止されたら防災力の低下になることは明らか。台風の進路予想ミスが大きな被害につながった痛苦の教訓もある」と、測候所の存続と地方気象台並みへの拡充を求めました。
対応した気象庁の担当者は「名瀬測候所は鹿児島中央気象台とも離れており、気象属性も違う」と指摘。「(名瀬測候所は)高層気象観測もおこなっており、四十六ある測候所の中でも(廃止・無人化に)慎重な判断が必要と考えている」と述べ、存続していく考えを示しました。
また、名瀬測候所の存続とあわせて沖永良部測候所の存続を求めた要請に対して、「沖永良部測候所も人手による気象観測は必要。外部委託などを検討している」として、廃止・無人化はしない姿勢を示しました。
交渉には、まつざき県議のほか、山口はるき参院鹿児島選挙区候補、地方議員らが参加。日本共産党の仁比聡平参院議員、春名なおあき参院比例候補、田村貴昭衆院比例候補らが同席しました。