2006年7月25日(火)「しんぶん赤旗」

対イスラエル軍事支援

米、5年間で2兆円

“第1の武器供給源”


 米国の民間研究機関「世界政策研究所」はこのほど、米国の対イスラエル軍事支援についての報告書を公表し、ブッシュ政権下の2001年から05年までの5年間で、168億ドル(約2兆円)もの直接、間接の軍事支援をしていたことを明らかにしました。(ワシントン=山崎伸治)


 米政府はレバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラがイラン、シリアからの軍事支援を受けていると非難しています。しかし米国自身は、イスラエルへの最大の軍事支援国ともなっています。報告書はそのことが逆にイスラエルへの「大きな影響力」となりうると指摘。ブッシュ大統領に対し、イスラエルに漠然と「自制」を呼びかけるにとどまらず、停戦を要求すべきだとしています。

 報告書によると五年間の支援の内訳は、米政府が武器購入資金を融資する対外軍事資金供与が百四億五千百四十九万ドル、有償で武器を供与する対外有償軍事援助が四十七億七千二百十八万ドル、直接商業売却が十五億五千百万ドルとなっています。その結果、「米国からの援助はイスラエルの国防予算の20%以上を占めている」といいます。

 またイスラエルが購入する兵器システムの大半が米国製です。報告書によるとイスラエルは現在、米国製のF16戦闘機二百二十六機、F15戦闘機八十九機、M60戦車七百十一両、M113装甲兵員輸送車六千百三十一台を有しています。米国は「イスラエルが有するはるかに優れた武器の第一の供給源」となっています。

 報告書の執筆者の一人であるフリーダ・ベリガン氏は二十一日放送の米パシフィカ・ラジオのニュース番組「デモクラシー・ナウ」で、イスラエルが「米国の企業に直行し、米国の金で武器を買い、それをパレスチナの占領地やレバノンで使っている」と指摘。「米国製の武器は自衛や国内の治安のためにだけ使うとした米国の武器輸出管理法に違反する」とし、この問題で米議会が沈黙を守っていることも批判しました。


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