2006年7月25日(火)「しんぶん赤旗」
米、イラク戦費月9200億円
生活予算圧迫
米議員が試算
5日分で医療無保険の子なくせる
米元海兵隊員で「保守派」と言われながら、イラクからの米軍撤退を求めて一躍注目を浴びた民主党のジョン・マーサ下院議員が、自身のホームページで、イラク戦費がいかに米国民のための予算を圧迫しているかを紹介しています。
同議員によると、イラク戦費は月八十億ドル(約九千二百億円)。これは週あたり二十億ドル、一日あたり二億六千七百万ドル、一時間あたり千百万ドルになります。
これで計算すると、列車や地下鉄、バスなどの公共輸送機関の改善はイラク戦費三週間分(五十二億ドル)でまかなえます。
老齢者医療保険(メディケア)の二〇〇七会計年度予算での削減額は、戦費二・五週間分(五十億ドル)です。医療保険に加入していない子どもは全米で九百万人いますが、戦費五日分(十五億ドル)あれば全員加入できます。教育予算の削減三十四億ドルも、わずか十三日分です。
各州へのインフラ整備の交付金は、同会計年度でイラク戦費一週間分(十七億ドル)が削られています。同会計年度予算で削減された環境保護庁(EPA)の予算は、戦費のわずか一日と三時間分(三億ドル)を充てれば復活できます。
国民生活に結びつく三十数項目の試算をあげたマーサ氏。「これだけの費用が米国の国内政策にどういう結果を生じるかを示し、これほどの金があれば何が達成できるか考えてもらいたかった」とその意図を述べています。(ワシントン=山崎伸治)