2006年7月24日(月)「しんぶん赤旗」
レバノン侵攻「理解できぬ」
英閣外相がイスラエル非難
【ロンドン=岡崎衆史】英国のキム・ハウエルズ外務担当閣外相は二十二日、イスラエルによるレバノン攻撃について、「イスラエルが行っているのは明らかに局部攻撃ではなく、コミュニティー全体への攻撃であり、それによって多くの人々が死亡している。攻撃に貫かれている論理を私はまったく理解できない」と語りました。
発言はイスラエルによるレバノン社会全体への攻撃に強い懸念を示したもの。ベイルートでメディアに語りました。
同氏の発言は、イスラエルによるレバノン攻撃が激化し死傷者が増える中、これまでイスラエルに寛容だった英政府の中からも非難の声が強まっていることを示すものとして注目されます。
同氏は、「もしも(イスラム教シーア派民兵組織)ヒズボラを追跡するというのなら、ヒズボラのみを追跡すべきであり、レバノン全体を対象にすべきではない」と述べ、イスラエルによるレバノン国民全体を巻き込む軍事行動を非難。「こうした状況をできるだけ早く終わらせなければならない」として、民間人攻撃をすぐにやめるよう求めました。
ハウエルズ氏はまた、ライス米国務長官の中東訪問について、「インフラ施設の破壊、多数の子どもたちや人々の死などレバノンで起きていることを米国が理解することを望んでいる」と述べ、イスラエルの大規模軍事行動を容認する米国政府に現実認識を改めるよう求めました。
一方、クレア・ショート元国際開発相は、BBCのインタビューで、「多くの人々がイスラエルの対応は度を越していると考えており、英国は、戦争犯罪を批判し、即時停戦を求めなければならない」と訴えました。