2006年7月23日(日)「しんぶん赤旗」

南米5カ国

社会的協力など宣言

メルコスル首脳会議


 【カラカス=松島良尚】南米南部共同市場(メルコスル)は二十一日、アルゼンチン中部のコルドバで第三十回首脳会議を開き、ベネズエラなどがかねてから主張していた社会分野のとりくみや、生産分野での統合の重要性などを盛り込んだ最終宣言を採択しました。

 同首脳会議には、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル、ベネズエラの加盟五カ国、チリ、ボリビアの準加盟二カ国の大統領のほか、招待されたキューバのカストロ議長が参加。メルコスルとキューバの間で数千品目について特恵関税協定が結ばれました。

 宣言は、関税同盟にとどまらず、連帯と協力、補完に基づく地域統合の核となる機構への脱皮をうかがわせるもので、「地域統合の歩みを深めるうえで、社会的な参加は中核」と結んでいます。

 また、南米を南北に縦断する天然ガスパイプライン建設計画にボリビア、パラグアイ、ウルグアイが参加することを明記。これによって全加盟国とボリビアが参加することになり、南米エネルギー網がいっそう現実味を帯びます。

 さらに、アルゼンチンが提案した「メルコスル開発銀行」の創設を積極的に検討するとしています。加盟国が協力して金融支援を行い、国際通貨基金(IMF)などに代わる機構をつくろうというねらいです。

 社会分野では、社会的包含と国民生活の改善をめざす「社会的行動戦略計画」を作成するとしています。中小企業や協同組合に焦点をあてた、社会的発展をともなう生産分野の統合の推進も強調しています。

 宣言は、メルコスル議会の年内創設もうたっています。


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