2006年7月22日(土)「しんぶん赤旗」

空自が米新型戦闘機に関心

敵基地攻撃能力が魅力 ?

米軍事専門紙が報道


 【ワシントン=山崎伸治】米国の軍事専門紙ディフェンス・ニューズは十七日付で、米空軍がF15イーグル戦闘機の後継として実戦配備を開始しているF22ラプター戦闘機に、日本の航空自衛隊が高い関心を示していると報じ、額賀福志郎防衛庁長官らの「敵基地先制攻撃」論との関連を指摘しています。

 ラプターはレーダーにとらえられにくいというステルス性が高く、超音速で巡航でき、もともとFA(戦闘攻撃機)として開発が始まったように高い攻撃能力があります。一九九〇年代から開発されながら、米ソ冷戦の終結で計画が縮小。しかし空軍がこの間、調達をすすめてきました。

 空自によるラプターの導入をめぐってはこれまでも、主製造社のロッキード・マーティン社幹部が可能性を示唆し、日本側が関心を高めていることなどが報じられていました。

 ディフェンス・ニューズは「最近の北朝鮮によるミサイル発射で日本は大騒ぎになっており、ワシントン(米政府)は東京(日本政府)の要求をこれまで以上に真剣に受け止めるかもしれない」と指摘。

 「額賀氏が日本は敵のミサイル基地を攻撃する能力を備えることを考えるべきだと言い、安倍晋三官房長官が同様の見解を表明している。この点からみれば、F22ラプターは次期戦闘機として、最も魅力ある候補の一つだ」という日本の保守系シンクタンク研究員の声を紹介する形で、「敵基地先制攻撃論」と次期戦闘機導入との関連に目を向けています。

 同紙は「日本の防衛当局が繰り返し、米空軍に対し、同機の性能データの提供を要求している」と、日本側がラプターの導入に積極的なことを指摘。一方で、同機が機密性の高い技術を使っていることや一機二億ドルといわれる値段から、調達の可能性はあまり高くないという専門家の分析も紹介しています。


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