2006年7月19日(水)「しんぶん赤旗」
イスラエル軍侵攻
レバノン死者230人
ライフライン破壊 基地を空爆
【カイロ=松本眞志】イスラエル軍は十八日未明、レバノンの首都ベイルートのレバノン軍基地を空爆するなど攻撃を拡大しています。この空爆で、レバノン軍兵士十四人が死亡し、カタールの衛星テレビ・アルジャジーラによると、レバノン側の死者は少なくとも二百三十人、負傷者は八百五十六人以上になりました。
イスラエル軍の空爆で数万人の市民が自分の家を離れ、学校や駐車場、公園などの公共施設に避難。現地で支援するボランティアは、避難者の食料や燃料が数週間で底を突くと語っています。
レバノン南部では事態はいっそう深刻です。各村々では周辺の橋や道路が空爆で破壊され、食料の補給が困難な状況にあります。これに加えて電気の供給もストップしています。
ヤリン村のイスラム教宗教指導者アリ・アブダラさんは「住民四百人は恐ろしくて家の外に出られない。退避中に空爆で、多数の人々が殺されたマルワヘン村の経験があるからだ。多くが高齢者と病人だ。食料と薬が特に必要だ」と語っています。
アイタロン村では、村の周辺をイスラエル軍が十回にわたって空爆。村民が病院にも行けない状況が続いています。
一方、ヒズボラのイスラエル領内へのロケット砲攻撃も続いています。これまでにイスラエル兵と市民を合わせて二十四人が死亡し、百七十人以上が負傷しました。十七日だけで三十三人が負傷し、北部の都市サファドではロケット弾が病院を直撃しました。