2006年7月19日(水)「しんぶん赤旗」

イスラエル軍侵攻

停戦求め仲介の動き

国連総長 欧州連合

国際部隊を検討


 イスラエル軍がイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの攻撃を理由に十二日から開始したレバノン侵攻の激化で、国際社会からは停戦のための仲介に向けた努力が本格化しています。国連のアナン事務総長は平和維持活動(PKO)を行う国際部隊のレバノン南部への派遣を検討。十八日、この問題で欧州連合(EU)のバローゾ欧州委員長とブリュッセルで会談しました。

 アナン氏はこの計画を十七日、主要国首脳会議(G8サミット)が開かれたロシアのサンクトペテルブルクでの主要八カ国とインドやブラジル、中国など新興五カ国、国際機関代表による討議の場で明らかにし、G8各国に協力を求めました。

 同地でアナン氏と会談したブレア英首相は、「国際部隊の展開が敵対行為停止につながる唯一の方法だと思う」と語りました。ドイツのメルケル首相やイタリアのプローディ首相も国際部隊派遣に賛同しました。

 十七日開かれたEU外相会議の声明は「ヒズボラのイスラエルへの攻撃とイスラエル兵の誘拐を糾弾する。イスラエル兵の即時解放とイスラエル領内へのあらゆる攻撃の停止を呼び掛ける」と訴え。同時に「イスラエルの正当な自衛権は認める。しかし、イスラエルには最大限の自制を発揮し、不釣り合いな行動に訴えないよう要望する」としています。

 EU議長国フィンランドのトゥオミオヤ外相は同日、国際部隊派遣構想に賛意を表明。「条件がそろえば、EUと加盟国は参加する用意を整えると確信している」と語りました。

 一方、同日開かれた国連安保理非公式協議では、アナン事務総長とブレア英首相の国際部隊派遣の提唱に対し、米国とフランスが、ヒズボラの武装解除を求めた安保理決議一五五九の履行を優先するよう主張しました。

 米国は現地に派遣されたナンビアール事務総長特別顧問から報告を受けるまで安保理の行動を控えるよう主張しました。同特別顧問の報告は二十日までに行われる見通しです。


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