2006年7月19日(水)「しんぶん赤旗」
「格差拡大を確認」
経済財政白書が明記
内閣府は十八日、二〇〇六年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を公表しました。白書は「家計から見た経済的格差」という項目を設け、経済的格差が「全体として緩やかに拡大していることが確認された」とのべました。
白書は、所得、消費、労働所得のそれぞれで、格差が拡大していることを指摘。特に、一九九九年から〇四年にかけて若年層で所得格差を示す「ジニ係数の上昇の動きが見られることにも留意が必要である」と強調しました。
また、労働所得でみたジニ係数が、八七年から〇二年の期間で上昇を続けていることを強調。特に、九七年から〇二年にかけての上昇幅が大きいことを指摘しています。
白書はこうした背景に、企業の「リストラ」による「雇用の多様化」があると分析。非正規雇用者の占める割合が九〇年代以降上昇し、「労働所得水準の低い非正規雇用の割合が増加することで、全体のジニ係数が高まった」としています。
ジニ係数 所得や資産の格差の広がり具合を表す際に用いられる指標です。ジニ係数は、〇から一までの値をとり、〇に近いほど所得格差が小さく、一に近いほど所得格差が大きいことを示しています。