2006年7月18日(火)「しんぶん赤旗」

2万号迎える「しんぶん赤旗」

「解同」の横暴 一貫して追及

脅しに屈せず同和利権告発


 「今回の事件を、追及する資格があるのは、共産党と『赤旗』だけだよ」―「解同」(部落解放同盟)と大阪府、大阪市の癒着の問題で、一般紙の記者と同和問題で意見交換をしたとき、その記者が自ちょう気味にいいました。

 「解同」大阪府連飛鳥支部の小西邦彦支部長(72)が五月八日、大阪府警に業務上横領の容疑で逮捕されたときのことです。大阪市淀川区の市有地につくった西中島駐車場の管理運営を委託された小西被告が駐車台数をごまかして法外な利益を得ていました。

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 事件の内容は、すでに三十一年前、日本共産党の姫野淨市議(当時)が大阪市議会で追及していた問題です。その後も党市議団は二十二回にわたって市議会での質問や発言で追及しました。メディアのなかでこの西中島駐車場の問題を報道してきたのは「しんぶん赤旗」だけでした。

 小西被告が理事長を務める財団法人「飛鳥会」を舞台とした一連の事件発覚と並行して「解同」系の芦原病院の経営破たんが表面化し、投入した三百二十億円もの公金が食いものにされました。この問題も党市議団と「赤旗」だけが長年にわたって追及してきた問題です。

 羽曳野市の「解同」向野支部の副支部長などを務め、一昨年四月に牛肉偽装事件で逮捕された「食肉業界のドン」こと浅田満被告(67)の問題では、「赤旗」は「ハンナン牛肉偽装癒着の構図」(二〇〇四年五月五日から八日)、「続ハンナン牛肉偽装癒着の構図」(同年五月二十八日から六月二十三日)の二回の連載を掲載しました。

 後に羽曳野市長を辞職した福谷剛蔵氏が連載中のこの記事のコピーを公の会議の場で全員に配布したのです。自分の身の潔白を証明するための道具にしようとしたのですが、逆効果になり、二週間後に辞職に追い込まれました。

 ある一般紙の記者は、牛肉偽装事件での「あの連載はすごかったですね。独走でしたね」と今でも驚きを隠しません。

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 今回の飛鳥会事件でマスメディアは五月八日の小西逮捕直後、一面で「解放同盟支部長を逮捕」(「毎日」五月八日付夕刊)「同和事業で着服容疑」(「朝日」同)「大阪市『同和対策事業』で着服」(「読売」同)などと報道しました。記事中に「部落解放同盟の地元支部長も務め」たなど「解同」を出したのも異例でした。

 しかし、しばらくすると一般紙に「事件と解放運動は関係ない」という基調の記事が目立つようになりました。

 きわめつけは、「読売」七月五日付。元「解同」中央執行委員で「解同」系の「部落解放・人権研究所」の名誉理事を特集に登場させて、「部落差別ある限り同和行政は必要」などと主張させています。マスメディアには「解同」タブーはいまも生きています。

 大阪府、大阪市は「解同」との関係を継続・温存させる方向です。二〇〇二年三月末で同和事業の法律は期限切れになっているのに、「人権施策」「人権行政」と名前を変えて続ける構えです。

 「赤旗」には「解同」タブーはありません。どんな暴力・脅しにも屈せず、同和事業を利権の道具にする政治を告発し、その終結を求めて報道を続けます。(嶋田 昇)


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