2006年7月17日(月)「しんぶん赤旗」
アラブ連盟が非難
声明発表 ヒズボラに警告も
【カイロ=松本眞志】アラブ連盟は十五日、エジプトの首都カイロで緊急外相会議を開き、イスラエルのレバノン攻撃と、ヒズボラの行為を非難する最終声明を発表しました。各国外相はまた、四者協議(米ロ、欧州連合、国連)などによるこれまでのパレスチナ問題への対応を失敗とし、この問題の解決を国連に委ねるよう要求しました。
声明は「レバノンでの侵略行為は、あらゆる国際的な法律やルールに違反する」とイスラエルを非難。「レバノン領に対する侵略の結果もたらされた損失や破壊の補償のすべての責任をイスラエルが負っている。市民に深刻な影響を及ぼし、罪のない人々を殺害し、甚大な財政的経済的損失をもたらしているイスラエルの残虐な侵略に直面しているレバノンを無条件に支持する」と訴えています。
同時に、声明は「すべての勢力が、域内の治安と安定を揺るがす行為、域内の国々とその人民の利益にならないと思われる行為を実行しないよう呼びかける」と強調し、間接的にヒズボラの挑発行為がアラブ諸国の利益を損なうと警告しています。
パレスチナ問題について、同連盟のムーサ事務局長は「中東和平プロセスは死んだ。四者協議を含むすべての機関は和平プロセスに失敗した。和平プロセスを復活させる唯一の方法は国連安保理にこの問題を差し戻すことだ」と語りました。
アラブ首長国連邦のシャアリ外務担当国務相は「現在の情勢は和平プロセスの失敗の結果だ。和平プロセスの失敗が続けば、パレスチナ、レバノン、他のアラブ諸国でのさらなる問題が予想される」と語りました。