2006年7月16日(日)「しんぶん赤旗」
水谷建設が1.5億円融資
自民・松山議員の親族企業に
自民党の松山政司参院議員(福岡選挙区)の親族企業が、法人税法違反(脱税)容疑で元会長らが東京地検特捜部に逮捕された水谷建設(三重県桑名市)から一億五千万円の融資を受けていたことが十五日までに分かりました。金融機関でもない建設会社が、関連企業でもないところにこれだけの融資をするのは異例。その背景が注目されます。
これは「赤旗」日曜版十六日号で取り上げたもので、関係者も融資の事実を認めました。
水谷建設から融資を受けていたのは、松山議員の弟が社長をつとめる松山建設(福岡市中央区)。議員自身も参院選出馬前の二〇〇〇年十月まで社長をつとめていました。
松山建設の社長は「二年ちょっと前に借りた。担保は出しているが、登記簿に出ない形で処理している。私の一存でやったものだ」と説明。通常はおこなわれない登記上の担保設定をしないやり方で融資を受けたことを認めました。
松山建設の社長は「会社の資金繰りのためのもので選挙資金ではない」とするものの、詳しい説明は「個別取引にかかわる」として拒否しています。
松山議員が支部長を務める自民党福岡県参議院選挙区第二支部の収支報告書によると、初当選した〇一年、同議員や親族が総額一億三千七百万円もの献金・貸し付けをして話題となりました。
松山議員の公設秘書は「議員は水谷さんとは面識もない、融資についてはいっさい知らないと話している」としています。
水谷建設をめぐっては、福島県の佐藤栄佐久知事の実弟が社長を務める紳士服縫製会社「郡山三東スーツ」(福島県本宮町)の旧本社用地を購入していたことがすでに判明。「郡山三東スーツ」は特捜部の家宅捜索を受けています。
松山議員は〇一年七月の参院選に自民党公認で出馬し初当選。自民党は来年予定の参院選でも公認候補としています。