2006年7月13日(木)「しんぶん赤旗」
河口ぜき堤防に亀裂
共産党調査 河川事務所認める
長良川
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長良川河口ぜき(三重県桑名市長島町)の堤防に亀裂ができ、徐々に広がっていることが明らかになりました。国土交通省中部地方整備局木曽川下流河川事務所が十二日、現場を調査した桑名市と木曽岬町の日本共産党議員団に認めました。
亀裂は河口ぜきのすぐ上流、せき管理橋近くの長良川左岸に走っており、堤防の上流側と下流側が大きいところでは十数センチもずれています。昨年夏ごろから肉眼でも確認できたため、日本共産党の五家和重桑名市議が同河川事務所に再三説明を求めていました。
「早急に手を打つ必要があるのではないか」という党側の質問に現場に同行した同河川事務所職員は、「このままで大丈夫だとまでは言えない」と、何らかの対策が必要なことを示唆しました。また、古澤眞一同河川事務所副所長は、事前のやりとりで「改修するとしてもたいへんな費用がかかるし、予算はない」と述べています。
長良川河口ぜきは、無用の長物として大きな批判を受けながら、一九九五年七月に本格運用が強行されました。
日本共産党は計画当時から「水は必要ないし、治水にも役立たない」と、建設反対を訴えてきました。同地にダムを造り、水をためることの地質上の危険性についても厳しく指摘していました。
長島町は、長良川と木曽川に囲まれた“輪中”で、一九四四年の東南海地震の際に、現在の河口ぜき湛水(たんすい)部分の堤防が四百メートルにわたって崩れ落ちるなど、地震のたびに大規模な液状化や地盤沈下が起きています。また、周辺には多くの活断層が集中していることも知られています。
五家議員は「予想していたとはいえ、こんなに早く亀裂が広がっていることに驚きます。長島の住民はせきの水を頭の上に暮らしています。すべての情報を隠さず公表し、早急に対策を講ずるよう国に求めていきたい」と話しています。