2006年7月13日(木)「しんぶん赤旗」
「混合診療」で分類案
厚労省が中医協に提示
公的保険のきく医療と保険のきかない医療を組み合わせた「混合診療」の本格的導入を盛り込んだ医療改悪法の成立をうけ、厚生労働省は十二日、「混合診療」の具体的な分類案をまとめました。同日開かれた中央社会保険医療協議会(中医協・厚労相の諮問機関)の診療報酬基本問題小委員会に示しました。
医療改悪法は、これまで例外的に「混合診療」を認めてきた「特定療養費制度」(高度先進医療や差額ベッドなど)を再編成し、新たに「保険外併用療養費」制度を設け、「必ずしも高度でない先進技術」なども「混合診療」に加えました。さらに「保険外併用療養費」を、(1)将来的に保険導入をする評価をおこなうもの(評価療養)(2)保険導入を前提にしないもの(選定療養)―の二つに区分け。保険適用されない診療を固定化し、拡大する内容にしています。
厚労省が示した分類案は、「評価療養」に先進医療や医薬品の治験に関する診療などを指定。「選定療養」には、特別の療養環境の提供(差額ベッドなど)や予約診療、制限回数を超える医療行為などを盛り込みました。中医協は今後、厚労省案を議論し、分類を決定する方針です。
委員からは、制限回数を超える医療行為を保険導入を前提にしない「選定療養」に含めることなどについて、「無制限な保険外給付範囲の拡大にならないか」と危ぐする意見も出されました。
厚労省の分類案
【評価療養】
A、医療技術にかかわるもの
・先進医療(現行の高度先進医療を含む)
B、医薬品・医療機器にかかわるもの
・医薬品の治験にかかわる診療
・医療機器の治験にかかわる診療
・薬価基準収載前の承認医薬品の投与
・保険適用前の承認医療機器の使用
・薬価基準に収載されている医薬品の適応外使用
【選定療養】
C、快適性・利便性にかかわるもの
・特別の療養環境の提供
・予約診察
・時間外診察
・前歯部の材料差額
・金属床総義歯
D、医療機関の選択にかかわるもの
・二百床以上の病院の未紹介患者の初診
・二百床以上の病院の再診
E、医療行為等の選択にかかわるもの
・制限回数を超える医療行為
・百八十日を超える入院
・小児う蝕治療後の継続管理