2006年7月11日(火)「しんぶん赤旗」

“敵基地攻撃の能力必要”

額賀長官らが発言


 額賀福志郎防衛庁長官は九日、北朝鮮の弾道ミサイル発射に関連して「日米同盟によって(敵基地攻撃は米国という)役割分担があるが、国民を守るために必要なら、独立国として限定的な攻撃能力を持つことは当然だ」と述べました。日本に対する攻撃が差し迫ったと政府が判断した場合に相手国のミサイル基地などを先制攻撃するための「敵基地攻撃」能力の保有を当然視するものです。都内で記者団に語りました。

 額賀氏はまた、「こういう事態が起きたからといって拙速にやるべきではない」としつつも、「まず与党の中で議論し、コンセンサスをつくる必要がある」と述べました。

 また、麻生太郎外相も九日のNHK番組で「核を抱えたミサイルが日本に向けられるなら、被害を受けるまで何もしないわけにはいかない」と語りました。

 安倍晋三官房長官も十日の記者会見で「日本の国民と国土、国家を守るため何をすべきかという観点から、常に検討、研究を行うことは必要ではないか」と述べ、「敵基地攻撃」能力の保有について検討すべきだとの考えを表明。「そういう能力を持つべきか。日米同盟において基本的に(米軍の)矛と(自衛隊の)盾という役割分担がある。そういう中で議論を深めていく必要がある」「まず党において議論いただくこともあるかもしれない」と述べました。


市田書記局長が批判

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(写真)記者会見する市田忠義書記局長=10日、国会内

 日本共産党の市田忠義書記局長は十日の記者会見で、北朝鮮のミサイル発射に関連し、麻生太郎外相や額賀福志郎防衛庁長官が敵基地の攻撃は可能と発言したり、安倍晋三官房長官が「検討研究が必要」とのべていることについて記者団に問われ、「際限のない軍拡競争になりかねない。これは一種の先制攻撃論であり、私たちはそういう考えにくみしない。あくまで外交的な努力によって問題を解決すべきだ」と批判しました。また、「この問題を奇貨として、日本の軍事力を増強しようという動きは正しくない」とのべました。


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