2006年7月8日(土)「しんぶん赤旗」
凸版印刷
賃金差別を是正
全印総連との間で和解
凸版印刷(東京都千代田区)と子会社の凸版製本は七日、凸版印刷労働組合(全印総連)との間で争われてきた賃金・昇格差別について是正することで合意し、長く争われてきた争議の和解が成立しました。東京都労働委員会のあっせんによるものです。
和解したのは、凸版印刷板橋工場の十九人と凸版製本の三人の組合員。合意では、現役組合員が他の労働者に比べ低くすえおかれている賃金・等級について「配慮」し、解決金を支払うことを約束。全印総連組合員を敵視する不正常な労資関係の正常化に道を開く内容となっています。
凸版印刷は、一九六〇年代初めから全印総連の組合員にたいし解雇、配転、賃金差別を繰り返してきました。
凸版製本でも「せめて凸版印刷並みの労働条件を」と労働者が組合を結成すると第二組合をつくって脱退を働きかけ、応じない組合員を差別してきました。この結果、同期入社の労働者と比較して年収でほぼ百万円の差がついていました。
凸版印刷では一九九九年、凸版製本では二〇〇二年に労組がそれぞれ、「組合弱体化を狙った見せしめの賃金差別は許せない」として、都労委に不当労働行為の救済命令を申し立てました。
全印総連はじめ、日本マスコミ文化情報労組会議、板橋区労連、文京区労協などが支援。都労委の和解勧告を受けて二年余の和解交渉の末、一括して合意に至りました。
凸版印刷労組の松沢功委員長は「これからは新たな労資関係のもとで職場の要求実現をめざして引き続き運動していきたい」と話しています。