2006年7月7日(金)「しんぶん赤旗」
松下温風機事故
劣化しやすいゴム使用
経産省 ホース亀裂の原因断定
「赤旗」日曜版の指摘裏付け
一酸化炭素中毒事故で十人の死傷者を出した松下電器の石油温風機について経済産業省は六日までに、温風機内に空気を送りこむホースに劣化に弱いニトリルゴム(NBR)が使われていたことなどが原因と断定し、ホースの材質など安全基準を見直すことを決めました。
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ホースに劣化しやすいニトリルゴムを使っていたことは、「しんぶん赤旗」日曜版二〇〇五年十二月二十五日号が初めて報じていました。
経産省の委託を受けて独立行政法人・製品評価技術基盤機構(東京・渋谷区)が調べたところ、オゾンに劣化しやすい材質が使われており、ホースが曲げて取りつけられ負荷がかかる構造になっていました。
これまではホースがひび割れし、不完全燃焼を起こした排ガスが逆流したとみられていましたが、亀裂の原因は分かっていませんでした。
「経年劣化」を主な事故原因だと説明してきた松下電器の主張が覆されたことになり、製造メーカーとしての責任が改めて問われます。
今回の調査結果を受けて経産省は、ホースの構造や材質について日本工業規格(JIS)の基準の改正などを検討することを決めました。
日曜版は、ホースにオゾン劣化に弱いニトリルゴムが使われていたことを指摘し、「ニトリルゴムはオゾンによる劣化には極めて弱い。ホースなど空気と触れる部品には使わないのが常識」とするゴムメーカーの証言を紹介。実際、松下電器が一九九二年からニトリルゴムに耐オゾン性能を加味したゴムに切り替えていたことを明らかにして、「責任逃れは許されない」と追及していました。