2006年7月7日(金)「しんぶん赤旗」

「灰色」金利撤廃

抜け穴許さぬ法改正が必要


 自民党の貸金業制度等に関する小委員会が五日に、出資法の上限金利(年29・2%)を利息制限法の上限金利(同15―20%)水準に引き下げて、一本化することを柱とする制度改正案をまとめました。両法律間の「グレーゾーン」金利を撤廃することになります。

 今回、自民党の小委員会が改正案をまとめるに至った背景には、高金利を引き下げよという世論と運動の高まりや、今年一月には最高裁が「グレーゾーン」金利を事実上認めない判決を下し、四月には金融庁の有識者懇談会が同様の方向を打ち出すという流れがありました。

 日本共産党国会議員団が先の国会でサラ金問題を繰り返し質問、「グレーゾーン」金利撤廃に向けた答弁をひきだし、流れを促進させてきました。与謝野馨金融担当相は「サラ金のテレビCMは不愉快」「二十数%の金利が社会的常識として当たり前だと受けとめられるような社会をつくってはいけない」と答弁、小泉純一郎首相は「高金利をむさぼる業者に被害を受けない対策を講じる」と約束しました。

 しかし、業界はまき返しに必死で、今回の自民党小委員会では、一部議員の強い要求で、少額・短期融資には上限を超えた金利で貸し付けられる特例措置を検討課題としました。

 特例が認められれば、業者同士が短期の客を「貸し回し」する危険もあり、規制が骨抜きにされる恐れがあります。

 また、上限金利の引き下げ方について、出資法と利息制限法の上限金利を20%に一本化する案もだされています。貸付金額に応じて利息制限法は15―20%の幅がありますが、それを20%に一本化することは金利引き下げの趣旨に反するものです。

 サラ金被害者をなくすために、抜け穴を許さない法改正が強く求められています。(村木博)


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