2006年7月4日(火)「しんぶん赤旗」

ボリビア制憲議会選

与党、過半数確保へ

モラレス大統領 「三重の勝利」


 【メキシコ市=松島良尚】南米ボリビアの変革にとって重要な節目となる制憲議会選挙が二日おこなわれました。開票速報などによると、与党・社会主義運動(MAS)が約60%の得票率で百三十数議席(定数二百五十五)を確保する見通し。同時に実施された地方自治権の拡充の賛否を問う国民投票では、与党の主張する「反対」が過半数を占めるもようです。

 モラレス大統領は結果について、「資源を国有化し、新自由主義経済モデルを転換する方向をさらに強固にする三重の勝利だ」と強調。制憲議会選挙で昨年十二月の大統領選の得票率54%を超える60%を得たこと、絶対多数の議席を確保したこと、さらに国民投票での勝利をあげました。

 制憲議会発足による新憲法づくりは、モラレス大統領の選挙公約でした。先住民の権利擁護や少数民族の政治参加、天然資源の国有化などを新憲法草案に盛り込み、国の再建をさらに強力にすすめるねらいです。

 第二党には、六十数議席と予想される野党の中道右派・民主社会勢力(PODEMOS)がつけました。

 制憲議会は八月六日に発足し、三分の二以上の賛成で一年以内に新憲法草案を提案します。MASは他党の協力を求めることになります。

 地方自治権の拡充をめぐっては、全国九県のうち四県で野党の主張する「賛成」が多数を占めました。この国民投票は、野党の要求で実施に至りました。天然資源などを有する東部サンタクルス県など自らの支持基盤の権益の保持と拡大をねらったものです。モラレス大統領は、「国からの一部の県の分離をはかるもの」として「反対」投票を呼びかけていました。

 中央選管は、制憲議会選挙と国民投票の最終結果を二十六日までに確定する予定です。


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