2006年7月3日(月)「しんぶん赤旗」
反戦集会を監視
検事総長懸念で中止に
米加州
【ワシントン=山崎伸治】米カリフォルニア州の「テロ対策」部門が、州内での反戦グループの集会などを監視し、情報を収集していたことがわかりました。
一日付の地元紙ロサンゼルス・タイムズが州の「国土安全保障局」(OHS)の報告書を入手して明らかにしたものです。
報告書は今年三月以来、毎日作成されていました。ところが約二カ月前、同州のロキヤー検事総長の事務所が監視の事実を知り、OHSに「抗議行動の情報を集めることは、正当な対テロ情報収集とはいえない」と懸念を表明。OHSはその後、作成を中止したといいます。
ロキヤー氏の事務所はこのことを内密にしていましたが、同紙の取材に対してようやく、憲法が保障する「言論の自由」を侵害するものだと表明しました。
OHSの報告書は「カリフォルニア州のどこで、どのような目的で、どれほどの政治的なデモがあったかの詳細」を記録。入手したのはそのうちの二日分で、そこにはアザラシ猟に抗議する動物保護団体の集会、婦人国際平和自由連盟のイラク戦争反対集会などの情報がありました。今後の集会などの予定も紹介されています。
三月にイラク戦争終結を呼びかける集会を開き、報告にも記録されたグループの関係者は、「税金の無駄遣いだし、言論の自由をうたった憲法修正第一条がだんだんと侵害されているようだ」と同紙上で批判しています。