2006年7月1日(土)「しんぶん赤旗」
労働法制の改悪要求
協議報告書で米側「混合診療」も
【ワシントン=山崎伸治】日米首脳会談に合わせて両国政府は二十九日、二〇〇六年投資イニシアチブ協議と第五回「規制改革および競争政策イニシアチブ」協議の報告書を発表しました。投資イニシアチブ報告書のなかで米国は、日本の労働法制を大幅に変え、解雇の金銭解決や労働時間規制の適用除外を可能にするよう求めました。
解雇の金銭解決は、裁判で解雇無効の判決が出ても、使用者が金を払えば労働者を解雇できるというもの。事務労働者への労働時間規制の適用除外(ホワイトカラーエグゼンプション)は、現在の労働基準法による労働時間規制を崩し、残業代を払わずに何時間でも労働者を働かせることを可能にします。日本財界の要求を受けて現在、厚生労働省の労働政策審議会で審議されていますが、労働組合が強く反対しています。
米国は労働者派遣業の規制緩和も求めました。
また、同報告書で米国は、保険のきかない診療を拡大する「混合診療」の導入に関心を示し、病院経営への株式会社の参入や、一部の医療行為を医師以外が行うことを認めるよう要請しました。
両協議は、二〇〇一年六月の日米首脳会談で設置され、小泉政権の民営化・規制緩和路線を後押ししてきました。