2006年6月30日(金)「しんぶん赤旗」
子ども育成条例に「愛国心」
原案を突然修正
自公民が強行
長崎・佐世保
子育ての基本理念として「愛国心」を盛り込んだ子ども育成条例が二十八日の長崎県佐世保市議会本会議で賛成多数で可決、成立しました。近く施行されます。市議会事務局などによると、子どもの施策に関する条例の中で、愛国心をうたったケースは全国初とみられるといいます。
同条例は、子育ての理念やおとなの役割などを柱に全十七条で構成。第三条で子育ての基本理念を定め、その中の一つに「人を愛し、郷土や国を愛し、世界の平和を願」う心を養うことを掲げました。
条例は昨年の十二月議会に市が原案を提案、継続審議となっていました。原案ではこの部分は「平和を愛し」となっていましたが、この六月議会で自民党系議員らが「自然発生的に出てくる感情を尊重すべきだ」などとして愛国心を含む文言への修正を提案。本会議で三十四人中二十六人の賛成を得て可決されました。
基本理念を転換
本会議で「継続審議」を求める緊急動議を提出した山下千秋市議(日本共産党)の話
有識者らが二〇〇三年から時間をかけて論議してきた立派な案に、自民、公明、民主会派が二十三日の委員会で突然修正を求め強行した。提案された条例案に「愛国心」の文言を盛り込むことで、条例は基本理念を大きく転換するものとなった。教育基本法改悪の先取り・実践であり子どもの進路と未来にかかわる重大問題。内容もやり方も絶対に許されない。