2006年6月30日(金)「しんぶん赤旗」
国公法弾圧堀越事件の東京地裁判決について
市田書記局長の談話
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国公法弾圧堀越事件で、東京地裁刑事第二部(毛利晴光裁判長)が本日、有罪の判決を言い渡した。
堀越事件は、社会保険庁職員の堀越氏が、二〇〇三年総選挙の時期に、「しんぶん赤旗」号外などを休日、居住地で郵便ポストに配布したことをもって、政治的行為を制限した国家公務員法と人事院規則に違反するとして、国公法違反事件では三十七年ぶりに起訴された。
東京地裁判決は、国家公務員が一市民として職務と無関係におこなう機関紙号外の配布活動に対してまで、学会やマスコミからつよい批判をあびてきた猿払事件最高裁判決の論理を踏襲し、国公法第一〇二条一項と人事院規則一四―七の第六項七号、一三号を合憲とし、堀越氏の活動を罰金十万円、執行猶予二年の有罪としたものである。
国際自由権規約はすべての国民に表現の自由を保障し、欧米では国家公務員の市民としての政治活動は当然とされている。わが国では、これを犯罪とする国公法が戦後反動期に米占領軍から押しつけられて以来、長期に生きながらえ、自民党と小泉内閣が、地方公務員や教員の政治活動に対して国公法と同様の刑事罰を導入する動きをつよめている。こうしたもとで、東京地裁が堀越事件において一市民としての政治活動を有罪としたことは、きわめて時代錯誤であり、政権与党におもねるものといわざるをえない。
裁判では、警視庁公安部が堀越氏に対して長期にわたって尾行し、ビデオで隠し撮りし、プライバシーを侵害する違法な捜査活動が浮き彫りになったが、これはきびしく裁かれるべきである。
日本共産党は、公務員の市民的政治的自由を確立するために、堀越氏と弁護団、労働組合、諸団体、個人と共同して世論と運動を大きく発展させ、無罪を勝ちとるために全力をあげるものである。