2006年6月28日(水)「しんぶん赤旗」
日銀・福井総裁の資産開示
年金 月額65万円も
一千万円ものカネを村上ファンドに出資して、ぬれ手でアワの大もうけをしていながら「たいした額ではない」といっていた日銀・福井俊彦総裁の大資産家ぶりが明らかになりました。政府や日銀は、この“資産開示”によって、中央銀行総裁の「究極のインサイダー取引」という前代未聞の疑惑の幕引きを図りたい考えですが、庶民感情からして、とても納得できるものではありません。
福井総裁は、一九九九年十月、証券取引法違反(インサイダー取引)で起訴された村上世彰被告率いる村上ファンドに一千万円を投資しました。同ファンドのアドバイザリーボード(経営諮問委員会)に、「元日銀副総裁」の肩書で参加、「広告塔」の役割を果たしました。
十三日の参院財政金融委員会で、福井総裁は「途中でキャッシュ・アウト(現金化)していない」などと答弁しましたが、二百四十二万円の分配金を受け取っていました。これを含む運用益は出資金の一・五倍近い、千四百七十三万円にのぼっています。庶民に超低金利を押し付けながら、この大もうけは日銀総裁の資質が問われます。
株所有では、新たに妻名義で、村上ファンドが大量買い占めをすすめた阪神電鉄株二千株のほか、高島屋株五千株の所有も明らかに。
富士通総研理事長の退職金、日銀総裁の給与、同年金の額も驚き。年金は月額にすれば、約六十五万円という手厚いものです。
福井総裁は、月給(約二百四万円)の三割を半年間返上するなどとしていますが、これで逃げ切りというわけにはいきません。
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