2006年6月24日(土)「しんぶん赤旗」
イラク行き正式拒否
米現役将校発言 軍が報道禁止令
【ワシントン=山崎伸治】現役将校として初めてイラク従軍拒否を表明していたエーレン・ワタダ米陸軍中尉が二十二日、イラク行きの準備のためワシントン州の陸軍基地フォートルイスから近接のマコード空軍基地に移動せよとの軍の命令を正式に拒否しました。
代理人のエリック・セインツ弁護士は同日、「ワタダ中尉は具体的な罪状も示されず、しかるべき手続きもないまま、基地内にとどめられている。中尉に関する報道禁止令を敷いており、軍の一番の関心が、イラクの違法な戦争に反対する中尉の発言を封じ込めることにあることが、またも示された」と軍の対応を批判しています。
ワタダ氏は「イラク戦争が道徳的に誤っているだけでなく、米国の法律を大いに侵害している」として、派遣を拒否することを決断。七日にフォートルイスのあるワシントン州タコマで記者会見を行おうとしましたが、陸軍は勤務時間内であることを理由に出席を不許可。ワタダ氏は、やむなくビデオで意見表明し、勤務時間終了後に改めて会見を開くなど、軍の妨害を受けていました。
ワタダ氏の母親のキャロライン・ホーさんは二十二日、「イラク行きをやめるという息子の決断は、十分な自己分析の結果です。愛国心に基づく行動です。全米の人たち、兵士に対し、『恐れて沈黙する必要はない。みなさんには歴史の流れを変える力がある』と訴えているのです」と支援を呼びかけました。
ワタダ氏を支援する動きは全米に広がり、二十七日には統一行動も予定されています。