2006年6月22日(木)「しんぶん赤旗」
民主・松井議員「勤務」村上ファンド関連会社
管理人も「知らない」
看板出さず、郵便受け名なし
村上ファンドの関連会社から、民主党の松井孝治参院議員(京都選挙区)が、私設秘書給与を肩がわりしてもらい、自らも給与を受けとっていた問題で、同氏は「勤務実態があった」と釈明しています。同氏や秘書が働いたという関連会社は「フューチャーネット」。ところが、フ社の住所を訪ねると、看板など会社の存在を示すものはありませんでした。
東京・港区、フ社の住所にあったのは一棟のマンションです。郵便受けにも、フ社の表示はありません。管理人の男性は「フューチャーネットという会社は、聞いたことがない。知らない」と言います。NTTの電話番号案内でも、東京二十三区内に同社の電話番号は登録されていませんでした。
登記簿によると、フ社代表取締役の個人宅が、同マンションの二階にあります。インターフォンを押しても誰も出ませんでした。
フ社は一九九九年設立。設立当時の住所は区内の別のマンションでしたが、二〇〇〇年五月に現在の住所に移転しました。松井氏と秘書は、フ社の住所がこのマンションに移転された後、「勤務」したとしています。
フ社監査役は村上世彰容疑者が代表を務めていた「M&Aコンサルティング」の総務部長。同監査役は、村上容疑者の個人資産管理会社といわれる「オフィスサポート」の代表と報じられています。オ社はシンガポールに移転した村上ファンドの中核企業「MAC(現、マック)アセットマネジメント」の筆頭株主でした。
登記簿に記されたフ社の業務内容は、会計・経理事務の請負や講演・イベントの企画など多岐にわたります。しかし、管理人も知らないような会社では、その実態を疑わざるを得ません。ましてや、松井氏や秘書の「勤務実態」はどうだったのか。疑惑は深まる一方です。
松井氏の事務所は「ご指摘の住所に会社があったと把握しているが、実際にどういう実態だったのかはわからない」としています。