2006年6月22日(木)「しんぶん赤旗」

薬害肝炎大阪訴訟判決

全員で勝利したい

原告ら「思い複雑」

国責任一部否認は不当


 「複雑な思いです」―二十一日の薬害肝炎大阪訴訟の大阪地裁判決について、原告たちは同地裁内の記者会見で、その思いを語りました。


 一九八七年四月以降の国の責任を認めたものの、それ以前は認めませんでした。同じように薬害を受けながら被害者と認められない人が出てきます。

 大阪訴訟原告の武田せい子さん(55)は「複雑な気持ちです。B型肝炎訴訟の勝利判決の追い風にのって全員勝利の判決を期待したのですが、意外にきびしい判決でした。しかし、国の責任を認めたのですから、国は三百五十万人といわれる患者の救済に力をいれてほしい」とことばをつまらせました。

 八六年の出産の際、止血剤として旧ミドリ十字製のフィブリノゲンを投与された原告の桑田智子さん(46)は「手放しでは喜べません。全面勝訴を期待したのでとても複雑です。国の責任は認めましたが、八七年以降ではとてもおそい」と話しました。

 名古屋訴訟の原告金田和子さん(48)は「国の責任を認めたのは大きいと思う。しかし、私の場合、この判決では被害者とはみとめられない。なんのために、だれのせいでC型肝炎になったのか、納得できません」と語り、九州訴訟の原告出田妙子さん(48) も「国の責任を認めたのだから、一刻も早く救済策をとるべきだ」、同じ九州訴訟の原告福田衣里子さん(25)は「同様に被害を受けて一部が認められないのは不当だと思います。みんなそろって勝利したい」と語りました。


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