2006年6月22日(木)「しんぶん赤旗」
活断層 想定の1.8倍
島根原発調査 耐震評価に影響
中国電力島根原発(島根県松江市)の近くにある宍道(しんじ)断層のうち、耐震設計上考慮されていない東側部分が、比較的最近(推定千数百年前)に活動した活断層であることが明らかになりました。広島工業大学の中田高教授と徳岡汽水環境研究所(松江市)が今月実施した掘削調査で確認されました。
宍道断層は、島根原発の南西約四キロメートルの場所から、ほぼ東の方向に約十八キロメートルにわたって伸びています。原発の敷地からの最短距離は約二・四キロメートルです。
現在の耐震設計審査指針は、「設計用最強地震」として、過去一万年に活動した活断層を設計に考慮すべきだとしています。
宍道断層の東側部分について中電は、これまでの調査で、最近の断層活動を示す形跡が認められないとして、中央から西にかけての長さ約十キロメートルのみを「耐震設計上評価すべき活断層」としています。
調査チームは、今回の調査で、宍道断層約十八キロメートルの全体が一体に活動する活断層であることが再確認されたとしています。
今後の対応について中電は、「(調査チームによる)報告書が国に提出されてから、総合的に判断したい。現時点では、再調査する予定はない」としています。