2006年6月22日(木)「しんぶん赤旗」
東京都議会
海外視察で五輪招致
自公民ネ推進、共産党は反対
東京都議会の議会運営委員会理事会は二十一日、都が行っている二〇一六年オリンピックの招致に呼応して、都議の海外視察を利用し招致活動を行うことを決めました。自民党の提案を協議し、自民、民主、公明の各党、生活者ネットが賛成。日本共産党都議団の吉田信夫幹事長は「海外視察を使い、全く趣旨が異なる招致活動を行うのは許されない」と反対しました。
自民党の提案は、海外視察のさいに「可能な範囲でIOC(国際オリンピック委員会)関係者を訪問するなど、五輪招致に向けて海外都市の理解と協力を求める」というもの。必要に応じ都の五輪招致本部の職員にも同行を求めるとしています。
吉田氏は、IOCが立候補都市による招致申請以降のIOC委員への訪問や招待を禁止し、政治家主導の招致活動を嫌っていることを指摘。IOCへの招致申請以前であっても、招致活動は国内候補都市の決定後に設置する招致委員会に任せるべきで、「都議会が軽々に招致活動をすべきではない」と批判しました。
同日の理事会では、民主党が十月中旬に十日間の日程でブラジルを海外視察する提案についても、自民、民主、公明の各党、生活者ネットの賛成で認めました。日本共産党は反対しました。
同日、記者会見した吉田氏は、海外視察は費用も過大で、昨年の都議選では過半数の都議が海外視察を「必要ない」「見直すべき」と公約しており、「あり方そのものを抜本的に再検討すべきものだ」と強調。民主党の計画書で調査理由としてあげた「バイオマス(生物由来)燃料の応用」は国内でも調査可能なことを指摘。世界遺産の滝で有名なイグアスで二日間も「観光振興施策」などを調査するとしていることにふれ、都民から「観光旅行」と批判されるとのべました。