2006年6月22日(木)「しんぶん赤旗」
グアム移転
作戦部隊は沖縄残留
米国防首席次官が証言
【ワシントン=山崎伸治】米国防総省のライアン・ヘンリー首席次官(政策担当)は二十日の下院軍事委員会で開かれた米軍再編問題での公聴会で証言し、米海兵隊のグアム移転に関し、グアムに移転するのは「司令部部隊」であり、「主要な作戦部隊」は引き続き沖縄にとどまると述べました。
ヘンリー氏は移転の結果、沖縄に残る兵力を「一万人から一万二千人」としたうえで、「残るのはほとんどが作戦部隊だ。多くの司令部部隊はグアムに移転させる。したがって主要な作戦部隊、すなわち朝鮮半島での紛争に駆けつけねばならない場合、速やかに移動させる必要がある部隊は地理的に近くにいることになる」と述べました。
統合参謀本部のウィリアム・サリバン副部長(戦略計画および政策担当)も「われわれは沖縄を放棄しない。大規模な部隊が沖縄には残る」と強調しました。
さらにヘンリー氏はグアムへの移転費用負担に、「もし日本が加わらなければ、実行することはできなかった」と指摘。グアムの戦略的な重要性について、「地球的な規模で直面する課題を見渡した際、重点を太平洋に移し替える必要があった」と説明。「太平洋には大西洋の北大西洋条約機構(NATO)のような多国間同盟が広がっていない。個別の国々と同盟を結ぶようにしてきた。地政学的な構造は複雑になりがちだ。米国は前世紀のほとんどの時期、この地域にプレゼンスを有していた」と述べました。
サリバン氏は米国と条約を結ぶフィリピン、タイ、日本、韓国、オーストラリアをあげ、「グアム周辺地域で共同訓練する機会があることは非常によい」と語り、グアムでの共同訓練の可能性を指摘しました。
またサリバン氏は横須賀について、「日本側は港の施設を原子力空母の扱えるものにする努力を行っている」と述べ、原子力空母ジョージ・ワシントンの受け入れの「努力」を評価しました。