2006年6月20日(火)「しんぶん赤旗」
保険証詐取に加担
大阪市と「解同」の癒着
市職員を逮捕
元組長らに便宜
「解同」(部落解放同盟)飛鳥支部前支部長で財団法人飛鳥会理事長の小西邦彦容疑者(72)=業務上横領罪で起訴=の妻や元暴力団組長らのため健康保険証をだまし取ったとして、大阪府警捜査二課などは十九日、詐欺容疑で、大阪市立飛鳥人権文化センター館長入江和敏容疑者(59)=同府箕面市如意谷=を逮捕、小西容疑者を再逮捕しました。
入江容疑者は「部下を使って更新手続きをした」と供述。小西容疑者も「(元組長らは)かつて飛鳥会などの仕事をしていたので身分保障のためにやった」として、いずれも容疑を認めています。飛鳥会事件の逮捕者は三人目で、市職員は初めて。小西容疑者と市側の癒着が浮き彫りになりました。
調べでは、小西、入江両容疑者は、小西容疑者の妻や、指定暴力団山口組系元組長ら三人が社団法人大阪市人権協会の下部組織、飛鳥人権協会(東淀川区)職員であるよう装い、健康保険の被扶養者調書を淀川社会保険事務所に提出。二○○四年一月、三人とその家族分の健康保険証カード計七枚をだまし取った疑い。
この三人は一九七七年から九二年にかけ保険証を取得、更新を続けていました。小西容疑者は飛鳥人権協会顧問でしたが、今年五月に解任されました。
同センターは人権啓発などの業務を実施し、職員は課長級の館長ら四人。飛鳥人権協会は同センターの一部を間借りしていました。入江容疑者は○二年から館長を務め、問題の保険証更新の際、職員に命じて虚偽の書類を作成させていました。
入江容疑者は、事業内容などに関して飛鳥会が府に提出する「法人調書」を代理作成していたことも判明しています。