2006年6月20日(火)「しんぶん赤旗」

見直し・廃止広がる

「愛国心通知表」

18市区町98校に


本紙集計で判明

 「国を愛する心情を持つ」などを評価項目に盛り込んだ「愛国心通知表」を使っている小学校が、五十三市区町村二百五十六校に上り、そのうち見直し・廃止を表明したのが十九日現在、十八市区町九十八校あることが本紙の集計で判明しました。「愛国心通知表」の問題は五月に日本共産党の志位和夫委員長が国会質問で取り上げて以来、全国各地で実態が判明し、見直しの動きが急速に広がりました。

 今回集計した「愛国心通知表」は二〇〇五年度の小学校で、ほとんどが六年生の社会科です。

 全国で最多の六十六校(九市六町)で「愛国心通知表」が使われていた埼玉県では、上田清司知事は「私が教師だったら『愛国心』を五段階とか三段階でつけろと言われても困る」と五月三十日の記者会見でのべました。

 さいたま市では日本共産党の山城屋せき市議がこの問題を十二日の市議会でただしました。教育長は「内心の自由に立ち入るものであり、適当でない」として、市内百校のうち、使用していた六校すべてで今年度は見直すことを明らかにしました。鴻巣市では市内十九校中十六校で使っていましたが、党市議団の申し入れに対し、教育長は誤解を招くような文言だと述べて関係者との検討を約束。その後、市内小中学校の校長研究協議会で「国を愛し」の表現を今年度の通知表から削除することを決定しました。

 愛知県の津島市、愛西市、七宝町では議会の日本共産党議員の質問に対して、教育長が「それぞれの学校で協議して、新しい通知表にするよう教育委員会としてお願いする」(愛西市)など見直しを明らかにしました。蟹江町では教育長が、日本共産党町議と民主団体との懇談で見直しを表明しました。

 一方、高松市では十四日の日本共産党の藤井康子市議の代表質問に対する答弁で、市内五十五校の小学校のうち、四十校で愛国心通知表を使っていることが新たに判明しています。

表

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