2006年6月18日(日)「しんぶん赤旗」

小泉政治と報道責任

ジャーナリスト会議が集会


 日本ジャーナリスト会議(JCJ)は十七日、「小泉政治5年とメディアの責任」をテーマに都内でパネルディスカッションを開き、ジャーナリスト、市民ら百十人が参加しました。

 桂敬一立正大講師が「『小泉劇場』負の遺産とメディアの責任」として問題提起。「『小泉劇場』は昨年の総選挙でなく、五年前の成立時から“田中真紀子外相”騒動などずっと続いてきた」とメディアの加担を分析。「国家権力と市民の両者にはっきりものを言うメディアとなろう」と呼びかけました。

 これを受けてパネリストの美浦克教新聞労連委員長が、「重大法案についても、メディアはその意味などを掘り下げるのではなく『きょう採決』など“落としどころ”記事になっている」と発言。ジャーナリストの大谷昭宏氏はテレビ出演の経験を踏まえ、「私はメディア加担論には懐疑的だ。実感としては、なすすべがなく、何もできなかった五年だった」と述べました。

 桂氏や会場の参加者からは、大谷氏に「“なすすべがない”なら昨年の総選挙がどうしてああまで熱狂型になったのか」「何もできなかったこと自体、『不作為の責任』にあるのでは」と反問がありました。

 桂氏は米軍再編をめぐる地方メディアの健闘も紹介し、「絶望してはだめだ。やれることはある」と訴え。大谷氏は「良心的ジャーナリストはいる。しかし支持してくれる人がなくてはもたない。読者・視聴者と記者の接点をもっと増やそう」と提起。美浦氏も新聞労連の方針を示して「市民・読者とのチャンネルを太くしたい」と決意を述べました。


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