2006年6月15日(木)「しんぶん赤旗」
グアンタナモ収容所
EU議会が閉鎖要求
【パリ=浅田信幸】欧州連合(EU)の欧州議会(仏ストラスブール)は十三日、キューバにある米軍グアンタナモ基地収容所の閉鎖を求める決議を、保守派から共産党までを含む圧倒的多数で採択しました。
決議は、保守・キリスト教民主党系の欧州人民党、中道派の欧州自由民主連合、欧州社会党、共産党・左翼党系の欧州統一左翼・北欧緑左翼連合、欧州緑の党の主要五会派が共同で提出したもの。最近の被収容者の自殺問題に強い「懸念」を表明し、米政府に対し「グアンタナモ基地収容所の閉鎖」と「国際人道法にのっとった被収容者の扱い」を要求しました。
またテロとのたたかいは「人権の尊重や法の支配」など「すでに確立し万人に共有される価値を損なってすすめられてはならない」との立場を表明。米国に国連拷問禁止条約を実行し、国連機関および国際人権組織が被収容者に「妨害なく接見」できるよう求めました。
前日にはEU外相理事会で議長国オーストリアのプラスニク外相が同様の立場を表明したばかりです。
二十一日にブッシュ米大統領も出席してウィーンで開かれるEU・米サミットで、EU側はこれまでになく強い立場でグアンタナモ収容所の閉鎖を迫るものとみられます。