2006年6月14日(水)「しんぶん赤旗」
米が大規模作戦準備
ラマディ 住民に退去を強要
イラク
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【カイロ=松本眞志】米軍がテロリスト排除を口実に、イラク西部アンバル州のラマディ市を包囲し、大規模な軍事作戦を準備しています。イラクのスンニ派勢力や住民はこれに強く抗議しています。
汎アラブ紙アルハヤト十一日付によると、イラクのスンニ派政党、イラク・イスラム党は声明で、米軍のアンバル州での軍事作戦は無実の市民を犠牲にするものだと批判。「軍事的解決は絶対に認められない。どのような口実があろうとも軍事作戦に対して沈黙を守るわけにはいかない。新政府は過度の武力行使ではなく、治安状況を検討して新たな方針を採用すべきだ」と訴えました。
イラク・イスラム聖職者協会は、米軍がすでに九日から数十台の車両と数百人の兵士でラマディを包囲し、戦闘機とヘリコプターを参加させて武装グループと戦闘を行い、数人の米兵が死傷し、五十人の市民が逮捕されたとし、米軍の軍事行動を非難しました。
警官のタフシン・アルドゥルミさんは「米軍は二日前から民家を爆撃し、住民に町から出て行くよう警告した」と述べています。ラマディ病院のオマル・アラウィ医師は、爆撃による五人の負傷者を病院側が受け入れたと証言。家族とともに町を退去することを強いられたアブダルサラム・ジャバルさん(49)によると、「米軍は拡声器を使って、『町に残ることは危険だ。言うことを聞かないとファルージャの住民のようになる』とわれわれを脅した」といいます。