2006年6月13日(火)「しんぶん赤旗」

生活保護

「申請権侵害が常態化」

北九州孤独死 仁比議員が是正要求


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(写真)質問する仁比議員=12日、参院行政監視委

 「保護が必要な人の最後の命綱が断たれたのではないか。国が是正しなければ、再び三たび犠牲が繰り返される」。日本共産党の仁比聡平議員は十二日の参院行政監視委員会で、北九州市で五十六歳の男性が生活保護を断られ孤独死した問題を取り上げ、国の直接の監査と生活保護行政の是正を要求しました。

 厚労省の中村秀一社会援護局長は「市はきちんと対応した」とのべましたが、川崎二郎厚労相は「今後の行政に資するため本件のケースについては検証したい」と答弁、調査を約束しました。

 五月二十三日に門司区でミイラ化した遺体で発見された男性は昨年八月に失業、収入がなく水道、ガス、電気が止められ二回にわたり生活保護を申請しました。ところが福祉事務所は親族で相談するようにといい、申請書を渡さずに帰し、保護が受けられないまま一月に餓死したとみられます。

 生活保護法は、第七条の「申請保護の原則」などで国民の申請権を認めています。仁比氏は、北九州市が男性から「生活保護の申請はあった」と認めていながら申請書を渡さなかったとし、「これを是正しない限り犠牲はつづく」と追及しました。

 北九州市では生活保護の申請を窓口で受けつけない申請権侵害が常態化し、餓死や孤独死が続発しています。仁比氏は北九州市の保護率が政令市の中で唯一低下し保護費予算の伸びもマイナスの実態を示し(グラフ)、国が市の報告をうのみにするのでなく現地に赴いて面談記録調査や関係者のヒアリングを行い、実態を調べるよう求めました。

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