2006年6月13日(火)「しんぶん赤旗」
緊迫 医療改悪
地域に大打撃
北海道千歳 公聴会で批判続出
参院厚生労働委員会は十二日、北海道千歳市で医療改悪法案の地方公聴会を開きました。政府与党が十三日にも委員会での採決をねらっているなか、道内の自治体首長、医療関係者六人が意見を述べました。与党推薦の公述人を含め、法案に対する批判や懸念が相次ぎました。
参院委 与党、きょう採決狙う
批判が集中したのは、療養病床の削減問題です。療養病床が六割削減されると、道内三万床のうち一万八千床が消えることになります。
北海道勤労者医療協会の堀毛清史副理事長は、根室市で唯一療養病床を持っていた根室隣保院付属病院が療養病床廃止・縮減で将来の経営に見通しが持てないと閉院し、地域に大打撃を与えていることを紹介。「療養病床の削減・廃止は個々の病院のみならず、地域医療そのものを崩壊させかねない。これは根室だけの問題ではない」と批判しました。
北海道医師会の山本直也常任理事も「医療と密接な関係がある。根室の病床数はもともと基準より百九少なく、療養型の活用で医療を維持していた。病床がさらに少なくなるのは大変な苦しみだ」。北良治・奈井江町長も「病床が廃止されても在宅に戻れない人が多いのが現実。まず受け皿づくりを」と求めました。
日本共産党の小池晃議員が「医療改悪での負担増にどんな声が寄せられているか」とたずねたのに対して、堀毛氏は「薬の間引きをしたり、食べるものを食べないでしのいでいるお年寄りがたくさんいる。医療費が払えずに暖房を止めて流木を拾って暖を取ったり、草を食べて飢えをしのいでいる人もいる。憲法二五条に保障された基本的人権を守るために時間をかけてしっかり議論をしてほしい」とのべました。