2006年6月12日(月)「しんぶん赤旗」
自然壊す林道ノー
広島で集い 税金無駄遣い指摘
第十四回大規模林道問題全国ネットワークの集い「止めよう!緑資源幹線林道・残そう!細見谷渓畔林」が十一日、広島市の県立生涯学習センターで開かれ、全国各地から約百人が参加しました。
西中国山地の希少な自然を残す広島県廿日市市吉和の細見谷地域に、独立行政法人緑資源機構が大規模林道を計画。反対する市民が「細見谷大規模林道建設の是非を問う住民投票を実現する会」(金井塚務会長)を立ち上げ、建設の賛否を問う住民投票条例を制定するよう同市に求める署名を始めています。
京都大学名誉教授の河野昭一さんは、ブナの生態や日本各地の原生林の現状を報告。林野庁が赤字補てんに天然林を乱伐し、「非常に危機的な状況」と指摘しました。
ほ乳類生態学者でもある金井塚さんは細見谷の自然やツキノワグマの生態を紹介し、運動の経過を話しました。条例制定の直接請求に必要な有権者の2%を超える約二千人分の署名が半月で集まるなど、世論が急速に広がっており、「ただ自然を壊すだけでなく、税金の無駄遣い、天下り先の確保などの利権構造があることがわかってきた。公正にみて中止すべき事業」と述べました。
大規模林道問題を抱える山形や北海道などから現状や経験が語られ、交流を深めました。