2006年6月11日(日)「しんぶん赤旗」
今週の国会
医療改悪
会期末にらみ攻防
14日成立狙う与党 野党は廃案めざす
国会は十八日に会期末を迎えます。政府・与党が会期を延長しないとしていることから、事実上、今週で閉じることになります。日本共産党は、参院でぎりぎりの攻防が続いている医療改悪法案をはじめ、教育基本法改悪法案、改憲手続き法案、「共謀罪」法案の廃案を強く求めています。
命にかかわる
政府・与党は、医療改悪法案の成立に万全を期すとし、十三日に参院厚生労働委員会で採決、十四日には本会議で成立をはかる構えです。
日本共産党は、改悪法案の審議を通じて浮き彫りになった問題点について、政府がなんら納得のいく説明をしていないことからも、ひきつづき徹底審議を求めています。
同案は衆院段階で、与党の強行採決で質疑が打ち切られており、参院での徹底審議は不可欠です。高齢者を中心とする負担増が及ぼす影響、後期高齢者医療制度の問題点、「混合診療」の拡大への懸念、療養病床が削減されることの影響など、国民のいのちに直結する問題で、まだまだ掘り下げる課題が山積しています。
十二日には、同案をめぐって北海道千歳市で地方公聴会を行います。
日本共産党、民主党、社民党、国民新党の四党は、書記局長・幹事長会談で、教育基本法改悪法案、「共謀罪」法案とともに医療改悪法案も廃案をめざすことで一致しています。会期末をにらんで、文字通り最終盤のたたかいとなります。
教基法改悪案
教育基本法改悪法案は、衆院教育基本法特別委員会の今国会での審議は終わりました。しかし与党側は秋の臨時国会を視野に入れ、閉会中に地方公聴会を実施するよう求めるなど、法案を継続審議にした上で、閉会中も審議を積み重ねようとしています。十四日に理事懇談会を開き、今後の日程について協議します。
衆院憲法調査特別委員会は十三日に理事懇談会を開き、与党と民主党がそれぞれ提出している改憲手続き法案の扱いについて協議します。与党側は十五日に趣旨説明と質疑を行うよう求めています。民主党は、NHKが中継するなら容認するとしています。日本共産党は、与党案、民主党案の内容とともに、国会終盤に提出し、会期末にドタバタと審議をすすめようとする姿勢を強く批判し、両案の撤回を求めています。
「共謀罪」法案を審議している衆院法務委員会は、同案の審議を中断し、他の法案の審議が続いています。与党側は継続審議にする構えですが、野党四党は廃案を求めることで一致しています。
衆院拉致問題特別委員会は、北朝鮮人権法案をめぐり、与党と民主党が進めていた「修正協議」が合意に達したとして、十二日の委員会で、与党案、民主党案を一本化し「委員長提案」の形で提出し、審議抜きで採決する構えです。
衆院倫理選挙特別委員会は、十二日の理事懇談会で、自民党が提出している外資系企業からの献金規制を撤廃する政治資金規正法改悪案の扱いについて協議します。
衆院厚生労働委員会は十六日、社会保険庁による年金保険料の不正免除問題で集中審議をおこなう見通しです。