2006年6月10日(土)「しんぶん赤旗」
NHK受信料
不払い罰則化を批判
吉井氏 「国営化」の恐れ警告
|
衆院総務委員会で九日、日本共産党の吉井英勝議員は、竹中平蔵総務相の私的諮問機関「通信・放送の在り方に関する懇談会」(通称・竹中懇)が六日に提出した報告書に、NHK受信料の支払い義務化を盛り込んだ問題を質問しました。
報告書では、受信料不払いに対処するため、チャンネル数削減などでコストを削減して受信料引き下げを前提に、「受信料支払いの義務化を実施すべき」とのべ、不払いへの「罰則化」の検討も盛り込んでいます。
吉井議員は「受信料が減った原因がNHKの不正経理や政治圧力による番組改ざんへの不信であったのにもかかわらず、報告書ではその批判を受け止めた議論が見えてこない」と指摘しました。
竹中懇座長の松原聡・東洋大学教授は「法律で義務化を明確にし、改革が終わった段階で罰則化を図りたい」と答弁。吉井議員は「義務化、罰則化は受信料の税金化で、国営放送になりかねない」と警告しました。
また、吉井議員はNHKの橋本元一会長に対しても、見解を求めました。橋本会長は「罰則についてNHKは権限を持っていない。国としての権限だ。罰則を盛り込めば、(受信料制度の)考え方が変わってくる」と答えました。
吉井議員は「放送法で定められた受信料制度は国民との双務契約で、払いたくなるような放送をすることが求められている」とのべました。
NHKの二〇〇五年度決算が自民、公明の賛成多数で認められました。民主、共産、社民、国民新党は反対しました。